高校生クイズは見ていて面白い?

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高校生クイズの概要

毎年9月中旬に高校生クイズが日本テレビ系列で放送されている。

近年は地頭力がテーマの様だ。知識や学力だけでなく、臨機応変な問題解決能力とチームワークが求められる傾向にある。実際、予選を勝ち抜いて本大会へ進んでいる学校は必ずしも県内有数の進学校というわけではなく、チームワークに優れたチームが多い印象だ。

出場する高校生には、夏の思い出づくりという点で楽しめるだろうし、運営側も場所の確保などの苦労する点はあるだろうが、バライティ番組の企画を流用したり、コンテンツの幅を広く取れる点で、既存のクイズ番組との差別化ができて視聴者を楽しませることが可能だろう。逆に言うと番組制作班の企画力が試されているとも言える。

高校生クイズ2019に対する世間の反応

番組放送中はTwitterトレンドに毎年必ず「高校生クイズ」が入る。

高校生クイズ2019に関するツイート内容を見ると、1番多い意見が昔の高校生クイズに戻してほしいと言うものだ。ここで言う昔とは第28回大会(2008)から第35回大会(2015)の知力の甲子園と銘打った高校生クイズだ。この期間は開成高校や灘高校といった超進学校と呼ばれる高校のチームが、学習指導要領の範囲を明らかに脱した問題を次々に解き進め、知識で殴り合いをする大会だった。今の地頭力をテーマにした内容とはかけ離れたものだ。

一方で現行の高校生クイズの方が以前より見ていて楽しいとの意見もある。視聴者もクイズを考えることができるレベルに設定されている点で、現行の番組は視聴者にとても配慮されている。

次に多かった意見は悪意を感じる印象操作があったとの主張だ。準決勝まで進出した高校の女子生徒が出演者に対して鋭い目つきをしたり、不適切な発言があったとのことだ。しかし、女子生徒本人はTwitter上でこの出来事について悪意は全く無く、クイズに情熱を注いでいたため、威圧的な印象を感じさせるものになってしまったとの旨のツイートをしている。また、それを擁護する者も多かった。

実際、ここ1年間で日テレの番組制作に疑問を抱くようなニュースを数回耳にしている。番組でのヤラセ発覚やタレント事務所への忖度など。もちろん日テレだけでなくテレビ業界の悪しき体質が露呈するニュースがここ1年間多い。

改善すべき点

Twitter上での世間の意見と私の主観を含めて改善すべきだと考える点が

  • 高校野球の全国大会と同じく春夏2回の開催をする。
  • タレント及び局アナ主体ではなく高校生主体のコンテンツとして番組制作をする。
  • SNS、ライブ配信サービス、副音声を使った演出を導入する。

春夏2回の開催

Twitter上では現行の高校生クイズを好む層と以前の高校生クイズを好む層が、はっきりと分かれている。現行の大会は視聴者が十分に参加可能で、知識だけでは勝負できない問題が多く、進学校と呼ばれる学校に所属していない学生や知識に自信がない学生でも挑戦することができる。一方で進学校の学生などは他校の生徒と競争しながら知識をアウトプットする場として、以前の形式の大会を望む者も多い。

しかし、両者を取り込んだ上で大会運営をすることは極めて難しいと言える。超人的な高校生が次々と難問を解く姿は清々しい印象をもつ人がいる一方、難問の数々は一般的な学力のマス層にとっては理解不能で興味の対象にはならない。また、高校生がひらめきとチームワークでユニークな問題を解くに合わせて一緒に思考することが出来る一方、高校生がワチャワチャしているだけにも見えかねない。

そこで、春は知識で殴り合う高校生クイズ、夏は地頭力の高校生クイズをそれぞれ開催することで両者の需要を取り込むことができる。近年動画投稿サイトに視聴者を取られ気味ではあるが、高校生クイズは細かな根回しと周到な準備と大きな予算が必要であり、個人や数人のグループで企画できるコンテンツではない。テレビ局だからこそ出来るコンテンツとして、今後の春夏2回開催を是非とも考えてもらいたい。

高校生主体のコンテンツとしての番組制作

ここ数年の高校生クイズは乃木坂46の出演によって成り立っている部分が大きいと考えられる。あらかじめ言及しておくが、彼女らの出演を批判する意図は毛頭無い。

優勝を狙うような学校は出演タレントが誰であろうとクイズに参加すると思うが、それ以外の層の生徒を集めるためには何かしらの手を打たなければならないのは、マーケティングとしては当然である。しかし乃木坂46を起用したマーケティングが行き過ぎていると感じる。と言うよりマーケティングの域を逸脱している。

確かに地方予選などを全国で同時開催する場合、人数がそれなりにいるグループタレントは隔たりなく配置ができ、タレントのコンサートをいつもなら見に行くことが難しい高校生にとっては、タレントに会える絶好のチャンスであり、テレビ側も集客効果が十分に望めるのでWinWinだ。

一方、本大会となるとタレント見たさに出場する高校生の大半はすでに脱落していると考えられる。本大会に進んだ高校生は本気でクイズに取り組み、優勝を狙っている。そこにタレントが過度に介入するのは禁物だ。高校生の戦いを見守り、レポートすることに徹するべきである。

しかし高校生クイズ2019では、高校生がクイズを出題し、乃木坂46がクイズに回答する企画が入り、もはや乃木坂クイズとなっていた。実際に悪意のある編集があったと女子高生が主張した出来事が怒ったのはこの企画内のことだ。競技性を歪ませてしまっているとも言える企画である。ただ、エキシビジョンとしての企画ならかなり好意的に受け入れられる企画だと思うので、企画としては維持して欲しい。

SNS、ライブ配信サービス、副音声の利用

番組をより盛り上げる手段として、SNSやライブ配信を取り入れてみてはどうだろうか。視聴者がリアルタイムでクイズに参加し、全国正解率や順位を提示することによってより視聴者が番組に熱中でき、今後の番組の視聴者獲得にも役立つと考えられる。

副音声の利用については、高校生主体の音声を通常で放送し、タレントがそれにコメントしたりする様子を楽しみたい視聴者は副音声で視聴することによって、より多くの需要を取り込むことが出来ると考える。作業量が倍になり制作側にとっては骨が折れるようなものかもしれないが、単発の番組ゆえに実験的にやるには適していると思う。

まとめ

高校生クイズは夏の風物詩となりつつあるが、改善すべき点は多いと思う。番組制作はアイデア1つで視聴率が大きく変わる厳しい世界だと思うが、視聴者の意見に耳を傾けた番組制作が今後求められると思う。

その前にテレビ業界の悪しき慣習を正すことを急ぐべきなのは言うまでもない

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