統一地方選と市長特別公演から若者の政治参画を考える
しばらく前だが、統一地方選と市長の特別公演が行われた。
昨今、選挙における投票率の低下が問題視されている。
特に若者においてそれは顕著なものになっていると思う。
2019年の4月から5月にかけて統一地方選挙が実施され、北海道知事をはじめ多くの新たな首長が誕生した。
市長の特別講演では、様々な考えを巡らせた。
私は選挙権を手にして初めての選挙となったが、投票行動をする際や選挙後の様々な報道、市長の特別講演を通し、若年層の投票率の低迷の原因と大学生が政治の参画に向けてどのような意識付けをすべきか考察した。
投票権を得てから初めての北海道知事選挙
私は2019年の北海道知事選挙が投票権を得て初めての選挙となった。
北海道選挙管理事務局発表の投票結果によると前回の知事選挙より投票率が1.28ポイント下がり、58.34%で過去最低を記録した。
町村部では高い投票率を記録するものの、札幌市をはじめとする人口の多い都市部では低い投票率が目立つ。
これは選挙時期や周知不足などではなく構造的な問題だと考える。
私4月に現在の住所に引っ越してきたため、以前の住所の近所に投票所が指定されていた。
投票日の4月7日は時間的余裕はあったものの公共交通機関の往復運賃を払って投票に行ったところで意味があるのだろうかと思った。
いくら地域の政策を吟味し投票したところで、少子高齢化が進む社会で圧倒的絶対数を誇る高齢者に、いくら若者の投票率を上げようとかなわない。
シルバー民主主義と言われて久しい昨今の政治に我々若者は絶望するしかないと私は思う。
それなら往復運賃で本を買って、空いた時間で本を読むことを通して自分に投資した方が、投票するよりもはるかにリターンが大きいと思えてしまう。
微々たる金額だが老後のために貯蓄をした方がいいだろうとも思う。
国も自助努力を求め、年金制度もあてにならないのだろう。
なんたる皮肉か。
このままでは1億総共倒れ社会への突入も間もなくだ。
若いなりに市の人口施策を考えてみた
圧倒的少子高齢化が進む中で総人口を増やし平均年齢が比較的若い私の住む市は異色と言える。
講義で配布された資料によると市の人口動態は転入者数が転出者数を上回る時期が続いており、ホテルやマンションの建設ラッシュ、訪日観光客増加に伴う商業施設拡充などにより今後もしばらく市の景気は良い見込みである。
大学や専門学校、企業の支社など常に若年層の転入が期待できる施設がある影響も大きい。
比較的若年者の割合が高い市は前述の構造的問題を乗り越えられる可能性が高い。
年代別区切りで考えた時、1票当たりの世代間格差が小さい。
つまりは若年層向けの政策が実現しやすく希望が持てることに繋がる。
直接的にこの事実を示すことは難しいが、これも1つ市の魅力として押し出し、他地域と差別化を計ることで若年層の転入を促すことができると考える。
しかし、転入超過に依存した人口政策は自衛隊施設の改変や企業の縮小があった場合の煽りをもろに受け、破綻する可能性が大きい。
従って出生数の増加と子育て世代の定住が安定して期待できる政策を打ち出していかなければならない。
例えば、市長講演で述べられていたが、郊外の医療機関の規模が小さく、市の中心部の医療機関へ通院する方が多いとのことだ。
現在は遠方への通院が体に負担になっていないとしても、高齢になった場合負担になることは容易に想像がつくため、在宅医療などの整備が必要だ。
また、産科や小児科などの拡充が子育て世代の住みやすさの向上につながる。
結局、市長の武勇伝を聞かされて終わった講演
先に記述したように構造的問題を解決することが、様々な政策を実現させる上で最も重要であると考える。
しかし我々若者の声が果たして政界に届いているのだろうか。
当然の事だが、同世代の政治家は存在しないし、YouTuberを自称する政治家はいるが地域社会で政治家に接触する機会は我々若者にはあまりない。
故に政治家の若者への理解が遠のくのだろう。
今思い返すと市長講演は我々世代の声を届ける貴重な時間だったと思う。
私もレポートに様々な意見を書いたつもりではあるが、講義をよく聴いているかどうかの評価にしか使われていないのであれば、本当に残念な事である。
私だけでなく多くの学生が様々な意見を書いたであろう。
しかしその声が届いていないのであれば殺されたも同然である。
芽生えた意識の芽を摘む行為の罪は大きい。
我々若者は直接的に声を上げることは得意ではないかもしれない。
だが、意見が無いわけでは無い。
若者の利用が多いSNSなどでは様々な時事への意見が日々溢れている。
この声にならない声を汲み取ることが求められていると思う。
発信した意見が汲み取られていると多くの人が実感できる社会を構築する取り組みが、若者の政治への参画意識の向上へつながると思う。
まあ、武勇伝を聞かせ若者の意見を殺した市と大学の講演担当には呆れた。
きっと彼らは自ら生み出した憎悪に殺される時が来るだろう。
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